すべり症と診断を受けた下肢の痛みとしびれ

症状

50代女性

4ヵ月前にマッサージへ行き、強めの施術を受けた。
強めが好みなので気持ち良かったが、その後から右手先、右足先に若干のしびれを感じるようになった。
1ヶ月ほどで、しびれは落ち着いたが、この頃から起床時に右の股関節の痛みを感じるようになった。
痛みは徐々に強くなっていき、特に朝の痛みは強く、動き始めて少しずつ楽になってくる状態であった。
近くの整形外科にてレントゲンの結果、「腰椎すべり症」と診断を受けたが、特に方法がないとのことで薬だけ処方。

分析

検査時、感覚は異常なく、筋力の低下や反射の異常はみられなかった。
可動域では、回旋は左右で両臀部に痛み、側屈は右側屈で右殿筋へ痛み、伸展問題なし、屈曲で若干の下肢へのしびれが再現された。
触診では、特に腸骨筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋、中殿筋の緊張がみられた。
骨盤周りの筋肉の過緊張が顕著であった。

施術

施術はすべり症のリスクを考え行った。
腸骨筋と殿筋群を交互に緩め、症状が4割程度に軽減。
腰椎はすべっているが、猫背が強く反り腰になりやすい状態になので、背中を矯正。
5回の施術で症状はほぼ消失。
現在はトレーニングと併用して、継続治療中。

考察

今回の症状は下肢へのしびれと、レントゲン上の「すべり」があることで、腰椎すべり症という診断を受けた。
しかし、しびれの場所や感覚、伸展時の痛みが無い、殿筋の過緊張、マッサージ後の痛みなどの情報から見て、「すべり症」でないことが予測された。
殿筋と腸骨筋という骨盤周りの筋肉の過緊張により、坐骨神経が圧迫を受けたのでしょう。
緩めることで即時にしびれは軽減されました。
症状をみるときに、痛みと画像は重要な判断材料ですが、もう少し突っ込んで分析をすると真の原因が見えてきます。
問診にてたくさんの情報を聞き出し、それについてしっかり分析することが重要なのです。

※施術効果には個人差があります。