典型的なスイングショルダー(ゴルフ肩)

症状

30代の男性ゴルファーが来院。
左腕のしびれと左脇、左肩甲骨の痛みを訴えていました。
2ヶ月前の練習の時に左の肩甲骨に痛みを感じました。
数日で痛みは落ち着き、再度練習をしましたが、その練習で痛みが強くなってしまいました。
翌朝は更に痛みが強くなってしまいしましたが、練習をしなければ痛みは弱くなるので、
数日休んで練習をし、また痛みが強くなるというように繰り返している。
繰り返していくうちに、痛みは強くなり、左脇から左肋骨に痛み、左腕にしびれが出始め、呼吸をしても痛みを感じるようになった。
最近は、休養を取っても痛みが引かなくなった。

分析

整形外科では、レントゲンで問題がないと診断を受けていた。
肋骨をチェックしたが問題はなかった。
しびれに関しては、神経学テストで感覚、筋力ともに問題なく、デルマトームにも合わなかった。
体の回旋時に肋骨付近の痛みが再現された。
左腕の水平内転、やや挙上で左肩甲骨内側の痛みが再現された。
これらの動きを合わせると、スイングでのトップの時の状態です。
特に前鋸筋の硬結と肩甲下筋、大円筋、小胸筋に過緊張と圧痛がみられた。
スイングチェックでは、アドレスで肩が上がっていて内に巻き込んだ、猫背の状態であった。
上記の結果から、主に小胸筋と肩甲下筋の過緊張が、
肩甲帯の機能異常を引きおこし、症状を誘発していたと判断しました。

施術

まずは過度に緊張した前鋸筋、肩甲下筋、小胸筋を重点的にアプローチして緩和させました。それだけで身体全体の緊張がゆるみ、肋骨や腕のしびれが軽減されました。
猫背もあり肋椎関節にも動きの悪いところがあったので、矯正をして肩甲骨の動きを整えました。
腹筋から大胸筋にかけての筋膜と、殿筋から広背筋、大円筋、上腕三頭筋に続く筋膜をリリース。
その他にも、頸部や胸腰部の関節、下肢の筋肉へもアプローチ。
3回の施術で8割の改善がみられました。
練習をするとまだ痛みは2割程度残っているので、継続治療中。

考察

今回の原因は、アドレスとスイングにありました。
不具合のある状態で300球以上も打つのですから、痛くなって当然とも言えます。
自分にあったアドレスとスイングが重要なので、自分の体の動きを無視したものは、しっかりと修正した方がいいので、アドバイスをしました。
ご自分のアドレス姿勢を一度見直してみてください。

※施術効果には個人差があります。