肩が上らない(五十肩の男性)

症状

50代 男性右肩の痛みを訴えて来院。
7ヶ月前くらいに手をついた際に肩の痛みを感じ、数週間後には肩、腕がほとんど上がらなくなった。
ジャケットの袖に腕を通すのが困難で、吊革につかまることは全くできないし、電車の支柱に捕まっていても揺れで痛みを感じる。
頭を洗う、お尻を拭くのもきつい。
整形外科で幾つかの検査を受け、所謂「五十肩」だと言われた。
4~5ヶ月は夜間痛に悩まされていたが、今はあまりない。
慢性的な肩の痛み、不意な動きでの痛み、肩が上がらない事を改善したい。

分析

肩の前部、腕の付け根辺りに強い圧痛があった。
また、肩の可動域はかなり制限され、ジャケットやシャツを着る動きは殆どできない。
伴って肩甲骨の動きも極端に低下し、関連する胸椎の動きが固く、頚椎にも影響があり、頭部を後ろに反らす動きはかなり制限があった。

施術

固まっている肩関節の可動域を回復させることに優先順位をおき、機能低下を起こしている筋群、肩甲骨、胸椎、頚椎と施術の対象を増やしていった。
初回からおよそ2週間(5回の施術)で肩は水平なところまで上がり(肩関節機能の改善)、4~5週間(5~6回の施術)で概ね生活範囲での痛みはなくなった。
その後、一ヶ月で3回程度の施術とリハビリ、トレーニングを行い施術を始めてから5ヶ月で殆ど全ての動きが問題が無く、水泳でクロールができる程度には回復している。

考察

四十肩や五十肩は中々大変なケースが多い様に思います。
損傷や変性があることも理由としては大きく、同時に損傷箇所によってはあまり修復速度が早くない事も問題を複雑にしているように思います。
また、他にも、
・損傷の程度とは無関係に機能低下の程度差が大きい
・上記も含めてパターンが多い割に判別が難しい(隠れた問題も含めて)
・結果としてリハビリが大変
というのも更に四十肩や五十肩を難しくさせる理由だと思います。
幾つかの症例を上げていますが、ケースによって期間がまちまちな理由も、こうした理由に拠るところが大きいように思います。

※施術効果には個人差があります